平成27年度クリニカルアナトミー教育・研究センター報告会開催

徳島大学病院では、「死体解剖保存法」及び「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」に基づき、平成26年8月1日に医師・歯科医師を対象とする未固定遺体を用いた臨床医学の教育研究拠点の構築を目的として設置した「徳島大学病院クリニカルアナトミー教育・研究センター」の1周年を記念して報告会を開催した。

徳島大学病院長、徳島県保健福祉部長、徳島大学白菊会理事長からご挨拶をいただき、引き続き、杏林大学医学部解剖学教室教授の松村譲兒氏より「サージカルトレーニングと献体」の題目でご講演をいただいた。

また、徳島大学病院クリニカルアナトミー教育・研究センター特任准教授の東野恒作よりクリニカルアナトミー教育・研究センターの実績報告を行った。

松村譲兒氏のご講演では、死体解剖のおける法律の解釈、全国の献体状況、「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」の実施についてご講演いただいた。徳島大学クリニカルアナトミー教育・研究センター運営委員会として献体を用いた手術手技研修の社会的正当性を確保するための方策等、今後の運営に影響を与えた。東野恒作の実績報告では、学内医師のみならず、県内の関連病院医師と合同で未固定遺体を用いたサージカルトレーニングをすることにより、高度な医療技術を必要とする症例件数が増加していることがわかった。
これまでは、低侵襲手技のトレーニングの機会が乏しく、また、そのキャリア形成システムが整備されていないため、その修得を目指す若手医師の流出につながっていたが、今後は、研修会開催や実地トレーニングを含めて低侵襲手術手技を修得できる専門医研修プログラムの構築ならびにキャリア形成システムの整備を構築することで、徳島に根を張った若手医師を確保し、安心・安全な医療体制を整備する。