活動報告

総合診療におけるダニ媒介感染症の早期診断・治療の重要性(平成25年度「指導医養成プログラム事業」) (2013年7月29日)

開  催  日:平成25年6月29日(土)

開催場所:徳島県立中央病院

講    師:馬原 文彦 先生(馬原医院 院長)

        坂東 弘康 先生(徳島県立海部病院 院長)

        小幡 史明 先生(徳島県立海部病院 医員)

        本田 壮一 先生(由岐病院 院長)

参加人数:30名(医師、研修医、看護師、薬剤師、臨床検査技師、学生)

 

 感染症の初歩から、科学的な抗菌薬の投与方法としてPK/PD理論を中心としてセミナーを開催しました。PK(Pharmacokinetics)とは日本語で「薬物動態」を意味し、PD(Pharmacodynamics)は「薬力学」を意味します。言葉の説明から始まり、具体的な投与方法(時間依存性と濃度依存性)についても言及しました。また、PK/PD理論では薬力学(PD)の要素としてMICの利用方法も追加して頂き、薬物動態にMICも組み合わせることでさらなる理解が深まったと思われます。

 最後はSFTSについてご講演頂き、ダニ媒介感染症の疫学から治療、予防、除去方法と幅広く学べました。

 

 これだけ世間を騒がせているダニの影響で、患者さんもダニについての知識が深まっていると思われます。しかし、それに医療従事者が追い付いていないようではいけません。

 今回のセミナーは総合診療とダニ媒介感染症というテーマに沿って馬原先生にご講演頂きました。

 重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome,SFTS)はSFTSウイルスによるダニ媒介性感染症で死亡率がきわめて高くなっています。これは医療者がSFTSを認識しておらず、鑑別疾患に上がらないことも原因の一つだと思われます。そして、症状も非特異的で、患者さんは発熱、嘔吐、下痢(黒色便)などを主訴に来院します。身体所見では紅斑がみられ、血液検査所見では、白血球数と血小板数の低下、AST、ALTなどの肝酵素の上昇を認めるのみです。また、SFTSウイルスの症状は多彩で、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)の他に、頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳、咽頭痛)、出血症状(紫斑、下血)等の症状が出現する場合もあります。初期は感冒と一見すると見分けがつかないこともあります。しかし、セミナーを通してSFTSの病態から、感染経路、活動時期、予防方法、刺傷後の対応、届け出基準、診断方法、治療方法などを詳細に学べました。

 このセミナー受講者はきっと、総合診療医として上記のような感冒症状で来院した患者がいたとしても鑑別疾患の中にSFTSを挙げることができ、適切な対応がとれると思われます。

 今後もこのようなセミナーを通して徳島県の総合診療及び感染症診療の向上に努めたいです。











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