徳島県立海部病院一次救命処置トレーニングコース(平成25年度「指導医養成プログラム事業」)

開 催 日:平成26年3月2日(日)
開催場所:徳島県立海部病院
参加人数:21名(医師、薬剤師、看護師、救命士など

院外における成人、小児、乳児の心肺停止時の初期対応及び成人、小児、乳児の異物除去法について学びました。

まず、成人では心肺停止時の患者発見における状況の確認から始まり、意識を確認し応援を呼びます。続いて呼吸と循環(脈)の確認後、両方なければ胸骨圧迫(心臓マッサージ【CPR】)を開始しました。合わせて気道確保とポケットマスクを使用した人工呼吸を行い、AEDによる除細動を施行し一次救命処置を継続しました。小児、乳児に関しても成人と大きな違いはなく、同様に心肺停止時の患者発見における状況の確認からAEDの使用方法について学びました。最後は、成人、小児、乳児の窒息時の対応についてデモンストレーションを行いながら初期対応を学びました。窒息に関しては、異物除去後の対応や意識がなくなった場合の対応まで幅広く受講生及びインストラクターでグループディスカッションを行い、有意義な時間となりました。

突然倒れた人や、反応のない人をみた場合に心停止を疑い、医療従事者としてどのように対処すべきかに主眼を置いた内容でした。

一次救命処置とは救急隊や医師に引継ぐまでの間に行う応急手当のことで、気管挿管や薬剤投与などの二次救命処置と比較して、院外心停止傷病者の社会復帰により大きな影響をもつということが報告されております。様々な背景をもつ医療従事者があらゆる年齢層の傷病者(成人だけではなく、小児・乳児を含む心肺危機に陥った傷病者)でも対応できるように学習し、初期対応を行うことが可能になりました。

今回は、成人、小児、乳児のマネキンを用い、少人数のグループに分かれてディスカッションやインストラクターによるデモンストレーションを交えながらシミュレーション実習を繰り返しました。このコースを通じて、素早く心蔵マッサージを開始し、なおかつ質の高い(速く、強く、しっかり戻す)圧迫をできるだけ短い中断時間で実施することが救命に最も大切であるということを学ぶことができ、今後の診療および地域医療に役立つと思われます。

今後もこのような勉強会を開催して、徳島県の救急診療の向上に努めていきたいです。