「第18回総合診療の指導力育成事業(徳島GMラウンド)」(2/15開催)
徳島県内で地域医療に携わる若手医師のキャリア形成支援事業の一環として開催している徳島県地域医療支援センター主催の「徳島GMラウンド」を阿南医療センターで行いました。第18回は、天理よろづ相談所病院総合診療教育部部長として臨床研修医の指導者として長年ご活躍してこられました郡義明先生をお招きして「胸部単純X線読影のポイント」をテーマにご講演いただきました。
参加者は研修医14名、専攻医5名、指導医19名、学生1名、その他の職種13名の合計52名でした。
プログラム
開会挨拶:赤池 雅史先生(徳島県地域医療支援センター副センター長・徳島大学医学部長)
症例検討
司 会:粟飯原 賢一先生(徳島大学大学院医歯薬学研究部糖尿病・代謝疾患治療医学分野特任教授)
症例①:原 倫世先生(阿南医療センター内科医師)
症例②:前田 悠作先生(阿南医療センター内科医師)
講演会 質疑応答
テーマ:胸部単純Ⅹ線読影のポイント
講 師:郡 義明先生(天理よろづ相談所病院元副院長・元総合診療教育部部長)
閉会挨拶:玉置 俊晃先生(阿南医療センター院長)
総合司会:藤本 美幸先生(阿南医療センター内科部長)
症例検討では、阿南医療センターの2例提示し、研修医と学生が2グループに分かれ、阿南医療センターの若手医師のリードのもとに臨床推論を行いました。
症例検討1は、原倫世先生が担当した症例で、食欲不振を主訴に来院した「副甲状腺機能亢進症」でした。軽度の認知症が疑われ、中枢神経系疾患や悪性腫瘍が注目されました。血液検査所見に大きな異常値がなく難しい症例でしたが、高カルシウム血症を手がかりに臨床推論を進めました。
症例検討2は、前田悠作先生が担当した症例で、発熱を主訴に来院した「レジオネラ肺炎」でした。胸部単純写真では、一見したところでは明確な異常所見が見いだしにくい症例でしたが、本日の講師の郡義明先生からは、幾つかの細かい変化を指摘していただき多いに勉強になりました。
特別講演会では、元天理よろづ相談所病院副院長で、20年近く総合診療教育部長として研修医の指導にたずさわってきた郡義明先生から、「胸部単純X線読影のポイント」をテーマに講演していただきました。肺の解剖を基礎にして、胸部単純X線から多くの情報を得るポイントを教えていただきました。簡単にCTが取れる時代ですが、患者さんの状態によればCT室まで運ぶことが困難な状況に遭遇することがあります。今でも、胸部単純X線写真読影技術が病態を理解する上で非常に有用であり重要であることを再認識させていただける講演でした。
赤池雅史医学部長をはじめ徳島県地域医療支援センターの皆様や徳島県内の多くの医療機関の皆様のご協力により第18回GMラウンドを開催する事が出来ました。感謝申し上げます。昨年5月に開院した新しい病院ですが、これから、多くの研修医が阿南医療センターで研修していただけることを期待し、第18回GMラウンドを終了しました。