平成16年度に新臨床研修制度が導入され、都市部での研修を希望する若手医師が増え、結果として地方は医師不足となっています。徳島県を見ると、令和4年度の統計では確かに人口あたりの医師数は日本一です。一方、医師の平均年齢は54.2歳と全国でもトップレベルの医師高齢化が進んでおり、若手医師数は全国平均を下回っています。このままでは、数年先には医師不足必至となることが懸念されます。また、県内においても医師偏在が問題となっております。

 本センターは、県の委託により平成23年11月1日に開設され、徳島県の地域医療を担う医師確保、キャリア形成、研修プログラムを検討し、さらに県内医師偏在解消に向け地域医療関係者と意見調整を行っています。中でも、徳島県の地域医療を担う地域特別枠医師のキャリア形成には力を注いでおります。新専門医制度の下で、不安なく地域医療に従事できるよう、地域の関連施設と診療・研修面で密な連携を行っています。また業務従事期間内であっても、中断制度を活用し国内外留学や臨床を離れた大学院で研究に専念することも可能です。

 本センターは、徳島県全体の医療を考えた企画や事業を展開し、地域医療を担う医師の養成を推進して参ります。

徳島県地域医療支援センター長・徳島大学病院長 西良 浩一