「第20回総合診療の指導力育成事業(徳島GMラウンド)」(10/1開催)

 徳島県内で地域医療に携わる若手医師のキャリア形成支援事業の一環として、県内の臨床研修指定病院が持ち回りで実施している教育カンファレンス(徳島GMラウンド)の第20回を徳島県立三好病院で行いました。
 今回は、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりWEB開催とし、「地域医療における総合診療」をテーマに実施しました。北海道の僻地や離島で地域医療に携わってこられました福島県立医科大学総合内科教授 濱口杉大先生から「病歴聴取が武器になるとき~総合内科の診断学と地域医療~」をテーマにご講演いただきました。プログラムは以下のとおりです。

プログラム
                                           
12時30分~13時00分 受付(Zoom入室)
13時00分~14時20分 開会挨拶:赤池 雅史先生(徳島県地域医療支援センター 副センター長)
           症例検討
           座長:依田 啓司先生(徳島県立三好病院 副院長)
           発表:冨澤 優太先生(徳島県立三好病院 総合診療科)
14時20分~14時30分 休憩
14時30分~16時00分 特別講演・質疑応答
           座長:藤永 裕之先生(徳島県立三好病院 院長)
           テーマ:「病歴聴取が武器になるとき~総合内科の診断学と地域医療~」
           講師:濱口 杉大先生(福島県立医科大学 総合内科 教授)
16時00分~16時10分 閉会挨拶:藤永 裕之先生(徳島県立三好病院 院長)

                           総合司会:古泉 サト子師長(徳島県立三好病院医学教育センター
                         運営委員会 副委員長)

 当日は、研修医19名、医師13名、メディカルスタッフ1名、事務9名の計42名が参加しました。
 症例検討は、冨澤先生が担当した症例で、患者は腰痛のため体動困難となり救急搬送された73歳女性です。リンパ節腫脹の患者の診察の際、関節リウマチの既往歴や内服薬等のキーワードから関節リウマチ関連リンパ増殖症を想起する必要があること、原因不明の持続する乳酸アシドーシスを認めた際、悪性腫瘍も鑑別として精査すべきことを学んだ事例でした。濱口先生をはじめ研修医、若手医師とともに討論しながら進めました。
 特別講演では症例を通じて、病歴聴取が武器になるのは診断がつかない時であり、武器として使うためには、診断学の基本である病歴聴取を普段から磨いておくことが大切ということを学ばせていただきました。

 地域医療支援センターの皆様や徳島県内の多くの医療機関の皆様のご協力により、第20回徳島GMラウンドを開催することができました。この場をお借りして感謝申し上げます。これからもGMラウンドのような研修医をはじめ若手医師の教育に徳島県一丸となって取り組む環境のさらなる発展に期待し、第20回徳島GMラウンドを終了しました。