第5回 徳島県4病院合同 臨床倫理セミナー
日時:2019年3月24日(日)9:30~
場所:徳島県立中央病院3階講堂
講師:稲葉 一人氏 (中京大学法務総合教育研究機構 教授)
箕岡 真子氏(東京大学大学院医学系研究科医療倫理学分野 客員研究員、
箕岡医院 内科医)
参加者:53名(医師、看護師、臨床心理士など)
【実施概要】
開催に先立ち、西村徳島県立中央病院長から挨拶の後、徳島県立中央病院臨床倫理委員会の市原先生活動の報告があり、寺嶋先生から徳島県立中央病院で作成したACP「もしもの時のために」について紹介があった。
午前の部の前半は、稲葉一人先生から臨床倫理と法についての総論の後で、ご自身が座長として取り纏めを担当された認知症の人の意思決定支援のガイドラインについて解説していただいた。後半は、箕岡真子先生から「DNAR指示とACPアドバンスケアプラニング?ACPは「終末期医療の倫理」の熟慮・発展のプロセスから生まれた産物である?」のタイトルで、急に喧伝されてきたACPが海外から急に持ち込まれた概念のようであるが、日本の臨床現場での丁寧な病状説明と同意確認(I.C.)という取り組みの延長と位置付けて、DNARや事前指示書(LWやAD)をより適切に実施することで包括的なPOLSTという書式に発展させる方向を示していただいた。
午後は、4?5名のグループで2事例の多職種での模擬カンファレンスを行い質疑/全体討論して終了した。
【成果】
講師から講義と模擬カンファレンスにコメントをいただける機会となり、認知症や救急現場から高齢者施設/在宅の医療ケアの場で重要な意思決定支援・ACPについて理解を深めることができた。参加者からは、開催時期が年度末で参加者が少なかったが、もっと多くの同僚に聞かせたかった、来年度も参加したい等の声があった。