徳島県地域医療支援センター長・徳島大学病院長 香美 祥二

 近年、都市部に医師が集中する一方で、全国的に各地域での医師不足が生ずる、いわゆる医師の地域偏在が深刻な社会問題となっています。徳島県地域医療支援センターは、県内で地域医療に従事する医師を確保し、その定着を図ることにより医師偏在を解消するため、県の委託により平成23年11月1日に開設されています。本センターの業務は、徳島県の地域医療を担う医師確保や配置、キャリア育成、研修プログラムを検討し、地域医療関係者と意見調整を行うことです。また、これらの取り組みを広く情報発信していくことも大きな役目です。

 新専門医制度の元での医師のキャリアパスを見据え、地域枠卒業生がキャリア形成に不安を持たず地域医療に従事できるよう本院と地域の関連施設との診療・研修面での密な連携協力や専門研修プログラムの構築がますます重要となっています。本センターは、徳島県全体の医療を考えた企画や事業を展開し、地域医療を担う医師の養成を推進して行きます。

徳島県地域医療支援センター長・徳島大学病院長 香美 祥二