徳島臨床倫理WEBセミナー/地域連携事業講演会(2/18開催)
日 時:令和4年2月18日(金)19時00分~20時30分
開催形式:Zoomによるオンライン開催
講 師:木澤 義之先生(日本緩和医療学会理事長/神戸大学医学部附属病院 緩和支持治療科 特命教授)
参加人数:50名(医師、看護師、理学療法士など)
【実施概要】
講師の木澤先生に、救急集中治療における緩和ケアと臨床倫理についてご講演いただいた。
内容は以下の通り
・緩和ケアは全てに人が基本的に受けることができる医療で、がんだけでなく、救急集中領域でも提供されるべきであるが、十分に行き届いていないのが実情である。
救急集中治療の場面では、多くの患者はできれば助かりたいと望んでいる一方、助かることが難しい場合は、安らかな最後を望んでおり、キュアかケアではなく、キュアもケアも同じく重要である。
・ICUの場面での緩和ケアのアセスメントでも、ACPのスクリーニングが必要。それ故、現在行っている治療が本人にとって最善なものか、逆に害にはなっていないか、中止するべきかで医療者が悩むといった臨床倫理上の問題も現場ではしばしば起っている。プロセスガイドラインにそって医療ケアチームで話し合いの場をもつことが重要。
・重篤な疾患を持つ患者との話し合いは治療・ケアのゴールを共有するための話し合いであることが求められる。
順序として、①今後の見通しを共有すること②家族、医療者に伝えておきたい大切なことの把握(これができないまま生きていくのは考えられないという思いなど)③内容を考慮し総括して、現状で推奨される医療を提示すること④今後も話し合いの機会があることを伝える。
【成 果】
救急集中治療の現場においても緩和ケアの提供は最重要であることが理解できた。臨床倫理上の問題をクリアするためにもプロセスガイドラインを活用することが大切であることも理解できた。新型コロナウイルス感染対策のため、ZOOMによるオンラインによる開催となったが、遠方の地域の方もご参加いただくことができた。
R4.3.4 掲載
R4.3.11 加筆