「第8回総合診療の育成力養成事業(徳島GMラウンド)」
徳島県内で地域医療に携わる若手医師のキャリア形成支援事業の一環として、本年度から実施している教育カンファレンス・教育回診(徳島GMラウンド)の第8回を昨年8月に新築になった県立三好病院が担当して平成27年3月22日(日)開催されました。
参加者は、多職種の医師、看護師、薬剤師、MSW、事務職員など42名の参加があり、徳島市内からの参加者や県立三好病院の職員、三好市周辺からの参加に加えて県外(香川県立中央病院、高知大学医学部附属病院)からの参加もありました。WEB中継された県立中央病院では、午前中の講義については、4名の方が視聴されました。(医師2名、看護師2名)
テーマは「臨床倫理カンファレンス」で、講師として日本臨床倫理学会の理事で教育セミナーを担当している箕岡真子先生(箕岡医院 院長/医師)と稲葉一人先生(中京大学法科大学院 教授/弁護士)のお二人をお招きしました。
午前の前半は稲葉先生の臨床倫理の基本的な講義で、午前の後半は箕岡先生が終末期の臨床倫理を講演いただき、DNAR指示が日本でもPOLSTという書式に変わることをお話しいただきました。昼休憩では、昼食後に大半の参加者が県立三好病院の見学ツアーに参加し、20分程度で屋上のヘリポートや7階緩和ケア病棟・屋上庭園等を見学しました。午後の前半は、終末期の臨床倫理に関係する法とガイドライン、判例の解説が稲葉先生からあり、複数あるガイドラインの特性に触れながら、午前中の講義を振り返りました。午後2時過ぎからの80分で4分割表を使って2症例の模擬カンファレンスを5?6人の小グループに分かれて行いました。
定員40名の募集をしたところ、遠路42名の参加が得られました。現在の日本の医療介護職にとって一番分かりやすい素晴らしい講義を聴くことができ、午後は多職種での模擬カンファレンスで4分割表の使い方を体験的に学ぶことができました。臨床倫理の取り組みが適切に行われている医療機関での研修は、研修医や専攻医がそこで働く中で自然に倫理的な対応が身につくと共に、安全安心な研修の場の提供としても重要であることが実感できました。
特に県立三好病院や県立中央病院は、来年度に院内の臨床倫理委員会の設置を予定しているので、その中心的な立場となる人材の参加を得られ、良い研修の場となりました。