家庭医療を学んでいます

河南真吾 (亀田ファミリークリニック館山【徳島大学総合診療医学分野】)

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私は地域医療実習で出会った医師の働く姿が自分の思い描いていた医師像と重なり、プライマリ・ケア医の道に進むことを決めました。地元は関東ですが、愛着をもった徳島に貢献したいと思い、母校徳大の総合診療医学分野(当時は地域医療学分野)に入局しました。

卒後4年目までは徳島大学病院・県立中央病院で勤務し、医師5年目の今年から、千葉県の亀田ファミリークリニック館山(KFCT)に国内留学をしています。KFCTは亀田総合病院の家庭医診療科としての分院です。館山地域の赤ちゃんからお年寄りまで、妊婦検診や在宅終末期医療など、多領域にわたってcommonな症状・疾患に対応できるように訓練を受けています。

プライマリ・ケアとしての専門性を感じるのは、提供する検査や処方、勧める検診や予防接種が、本当に患者にメリットをもたらす選択肢なのか、POEM(Patient Oriented Evidence that Matters)に基づいて診療していることです。同僚たちの蓄えている知識の引き出しもすごいですが、カンファレンスではひとつの疑問が浮かぶと、即座にUpToDateやDynaMedや信頼性の高いガイドライン等から確認が行われ話が進むのが、私にとって新鮮な光景でした。

「患者中心の医療」という臨床技法の獲得もプライマリ・ケア医に求められますが、このスキルは素晴らしいです。KFCTの先輩達は、患者にだけでなく同僚医師やメディカルスタッフ、自分の家族に対しても、親切に共感し建設的な展望を築いていて、医師また人間として魅力を感じます。

亀田でスキルアップした後は徳島に戻り、総合診療医学分野のスタッフとして地域医療と総合診療に従事するつもりです。医療の専門分化、医師の偏在化、社会の高齢化が進行した徳島において、プライマリ・ケア医の役割はますます重要になっています。医学生が大学のカリキュラムでこの分野に触れ、志を抱く後輩達が喜んでこの道に進めるよう貢献したいと思っています。

後輩へのメッセージ

自分を育ててくれた徳島への恩返し。
そう思って医療をするのもイイことでしょ。