病気ではなく病人をみる
私は徳島大学を卒業後、初期研修期間を徳島赤十字病院で過ごしました。初期研修後は、徳島大学血液・代謝内分泌内科に入局しました。現在、阿南医療センターでは一般内科医として診療しながら、血液疾患の化学療法や緩和ケア病棟の手伝いをしています。阿南医療センターは、自分が学びたいことを今日からでも学ぶことができる非常にフットワークが軽い病院です。新しいことにも病院全体で取り組んでいこうという雰囲気があり、とても働きやすいです。
国家試験では、ある病気を診断して標準的な治療を選択できれば正解というのが当たり前ですが、現実世界では少し勝手が違ってきます。同じ病気に同じ治療をしても同じ結果には絶対になりません。同じ病気でもそうなのに、病気の「人」をみるとどうでしょうか。既往歴や使用薬剤、重症度など全てが同じ人はこの世にはいないはずです。病気に対する考え方や生活環境も考えると無限のレパートリーがあります。もしかすると、その人にとっては病気の治療より大事なことがあるのかもしれません。
患者さんの治療は、テンプレート化できませんので、どうしてあげればいいのか考えるのにも時間がかかります。常に最善の選択ができるわけではないですが、どうすれば幸せになりそうか考える時間は無駄ではないと思っています。また、全てが同じでないからこそ、私は医師としての仕事にやりがいを感じます。
昨年度は大学病院で働いていましたが、地域の医師として4月から勤務しています。まだまだ若輩者ですが、頼って来てくれる患者さんが少しでもいることに喜びを感じます。患者さんもそうですが、私たち医師もこれまでの経歴や考え方など、一人として同じ人はいません。自分なりの強みを磨いて地域に貢献できるように日々研鑽しています。
血液検査やCTの結果だけを良くするのでなく、患者さんの生活全体を良くするために一緒に頑張ってみませんか?