人との出会いは一生の財産

大浦雅博 (徳島大学病院徳島県地域医療支援センター特任助教)

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「この病気で苦しむ人をこの世から無くしてください。」ずっと忘れられないある患者さんの言葉です。

私は、徳島大学を卒業後、徳島赤十字病院で初期研修を行いました。血液内科での研修中に出会った患者さんの言葉が、冒頭の言葉です。徐々に悪くなっていく病状の中で振り絞るように発された言葉。その言葉がいつまでも頭から離れず、何もできない自分が悔しく、少しでも病と闘う患者さんの力になりたいと思うようになりました。尊敬する指導医の方々との出会いにも恵まれ、血液内科の道へ進むことを決めました。その後、徳島赤十字病院での後期研修を経て徳島大学血液・代謝内分泌内科に入局し現在に至ります。今は大学院生としての研究活動も行っています。

血液内科の患者さんは、経過が長い方もたくさんいます。病気を診るだけではなく、その患者さんの人生に寄り添って共に歩んでいくことができる。それが血液内科の魅力であると考えており、また、常にそのようにありたいと思っています。これは、地域医療においても同じようなことが言えると考えています。地域や患者さんの生活も含めて密接に関わり、その全てを診ていく。徳島県地域医療支援センターに着任し、微力ながら私も地域医療に携わっていますが、このことを日々実感し、新しい出会いにいつもワクワクしています。

自身の研修生活を振り返ってみると、本当に人との出会いに恵まれた研修であったと思います。沢山の出会いがなければ、今の私はいなかったと言っても過言ではないでしょう。人との出会いは医師にとってかけがえのない財産です。しかし、待っているだけではいい出会いは訪れません。初期研修時代は、一番たくさんのことを吸収できる貴重な時間です。是非とも色んな所へ自ら飛び込み、多くを学び、沢山の出会いを経験してください。

色々と偉そうに書きましたが私もまだまだ未熟者です。これから初期研修医になる皆さん、今研修中の皆さん、共に頑張りましょう。よろしくお願いします。

後輩へのメッセージ

専門性も当然大事ですが、研修医期間という貴重な時間をフル活用して、幅広い経験を積んで、広い視野を持ってください。そのためにも、積極的に色々なところへ臆さず飛び込んで行きましょう。自ら動くことが大事!