仕事を楽しむために
私は、多彩な身体所見や血液、画像検査から病態を推測する一方、治療においては経皮的な穿刺や経血管的な治療を行うなどダイナミックな面をもつ肝臓病学に興味を持ち、消化器内科に進むことを決めました。肝臓は未だに解明されていない事象が多く、日々悩みながら診療しています。私の仕事を振り返ってみて、自分への反省も込めて言えるのは、「常に疑問を持ち、調べようとする気持ち」が大事だと感じています。意識していると、日常臨床で遭遇する疾患や手技、患者さんやメディカルスタッフとのコミュニケーションなどから色々な事を気づかされ勉強になります。また、自分が行った診療が正しかったのか?と振り返ることも必要だと思います。最初の頃は教科書通りに、慣れてくると経験でこなしていくようになりますが、当然患者さんは一人一人違いますので、予想と反する事がよく起こります。その時には何が原因だったのか調べる、その積み重ねが10年先の自分をより豊かで深みのある医師にしてくれるのではないかと考えています。
最後に、医療の世界はとても狭いです。外に出て、知り合いの知り合いをたくさん増やしましょう。調べても分からない事は誰かに聞く方が早いです(笑)。