恐くても、思い切って飛び出した方がいい!
『教官の印象に残らない学生』医学生の頃の自分はそんな感じだったかなと思う。徳島県出身だから県内で研修して、外科系の医局に入って…。正直あまり深く考えてなかった。
転機は部活の先輩が勤める大阪の病院に見学に行ったことだった。気は進まなかったが、大好きな尊敬する先輩に誘われたから顔を立てるつもりで八尾徳洲会総合病院に見学の申し込みをした。当時建物は綺麗とは言えず、外観からは古臭い印象を感じたが、そこで働くスタッフはみな昼夜を問わず、公私を問わず、生き生きとしていた。『この人たちの仲間になりたい。ここで力をつけたい。』見学から戻るとすぐにマッチングの申し込みをした。
研修生活は人格が変わるくらい多忙で、ぐーたらだった自分を変えるには十分な環境だった。ERで怖い思いもいっぱいしたし、叱られ続けたような気がするが、2年が過ぎる頃には、思い切って飛び出してきてよかったと心から思えた。2年で徳島に戻るつもりでいたのに、後期研修を含めて気が付けば6年近く八尾でお世話になった。その間、さまざまな有難い出会いがあり、たくさんの貴重な経験にありつくことができた。この卒後6年くらいの間の経験が、《飛び出すこと、はみ出すことの面白さ》を教えてくれたと思う。もし学生の頃に飛び出すことをしなければ…、そう思うと恐ろしくすらある。
ひょんなきっかけから6年目の2月に徳島大学形成外科へ入局することができた。当時外様だった自分としては、しばらく控え目にいることも意識したが、幸い諸兄はみな優しく温かかったため、研修時代に得た《飛び出す、はみ出す》教訓を貫くことができた。そして、今なお大切に過ごすことができていると思う。この教訓が自分の枠を広げ、育ててくれたと思っている。その結果として、今年4月から地域医療支援センター特任助教の職を拝命することができた。
挨拶が遅れましたが、今後ともよろしくお願いいたします。