地域枠と初期臨床研修

佐藤裕一 (徳島赤十字病院脳神経外科)

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脳神経外科の佐藤裕一です。私は徳島県の地域枠1期生として徳島大学に入学し、2015年に徳島大学を卒業しました。大学病院のAWAすだちプログラムで初期臨床研修を行いました。2015年4月から12月までは徳島大学病院で、2016年は丸一年済生会熊本病院で、最後の3ヶ月は再び大学病院で研修を行いました。2017年4月に徳島大学病院脳神経外科に入局し、半年間大学病院で勤務した後、現在の徳島赤十字病院脳神経科に異動しました。

私は学生時代から脳神経外科に興味を持っており、初期臨床研修が始まる前から3年目以降は脳神経外科の道に進もうと決めていました。そこで初期臨床研修でも脳神経外科を多く勉強できるような研修プログラムで研修をさせていただき、他科研修中も、指導医の先生方に脳神経外科医が知っておくべき知識(知っておいてほしい知識)を教えてもらいながら研修を行いました。

地域枠の制度では、初期臨床研修は徳島県内にある病院で行う必要がありましたが、県内の病院での初期臨床研修プログラムに属していれば、県外での研修期間も義務期間としてカウントできる(2015年初期臨床研修開始時)というものでした。地域枠の制限の範囲で県外での研修を長期間行えるプログラムは徳島大学病院だけだったので、徳島大学病院での研修を選択しました。

2年間の初期臨床研修中に3年目以降の道を考えるのも一つですが、あらかじめ3年目以降の進路を決めておき、そのために2年間で勉強すべきことをするというのも初期臨床研修の一つではないかと思います。いずれにしても、2年間の初期臨床研修はあっというまに終わってしまいます。しっかりと目標を持った2年間を過ごすことが3年目以降の診療を行なっていく上で大切な事ではないかと思います。

後輩へのメッセージ

新専門医制度もようやく始まり、今後の先生たちは自分の進路に悩んだり迷ったりすることが多くなるかもしれません。しかし、制度に振り回されず、将来をしっかり見据えて学生時代、初期臨床研修を過ごすことが大切だと思います。