お師匠さんを見つけよう
木頭診療所川下陽一郎と申します。私は自治医科大学を卒業しましたので、へき地診療所へ赴任することが決まっていました。学生時代より先輩から「ひとり診療所に出ても困らないように何でもできるようになれ」と教わりました。初期臨床研修の頃から外科的手技が苦手で怖くて、これではイカン!いざというときに絶対困る!と思い専科を外科に決めました。医師2年目のあるとき先輩に「お前は何を目標に仕事をしている?」と問われ、即答できず悩みました。「僕は’’ひとり診療所に出て困らないため’’に仕事をしている?のか?」と。そんな私に先輩は「悩む必要はない。ただ目の前の患者にとって良い医師であろうとすればよい」と教えてくれました。「患者にとってベストを尽くせ」と。それが私にとって改めて「医師」を志したきっかけです。そして具体的な医師像として「プライマリケアが実践できる外科医」になることを目標に仕事に取り組んできました。現在卒後9年目。木頭診療所を主業務に、上那賀病院で手術をし、県立中央病院でドクターヘリに乗っています。プライマリケア、外科学そして地域医療、どの分野においてもまだまだ修行の身です。しかしへき地診療所やへき地中核病院での経験はもとより、これまで多くの方に御指導いただいたことが自分にとって財産であり自分を形成しているのだと実感しています。たくさんの「お師匠さん」に育ててもらい今の私がいます。これから更に修練を重ね、「良い医師」を目指し徳島県の地域医療に寄与できればと考えております。
お師匠さんのひとりが今の私に対してこう言いました。「俺なんて越えなくてどうする。お前たちがこれからの徳島の医療を担っていくんだぞ」と。頑張らねば!